(前回の記事はこちら→「茅ヶ崎は肩の力が抜ける場所。」映像制作を通じて感じた街の魅力。/東海岸商店会PV~ふれあい編~)


■ソーシャルグッドな取り組み


――― 前回、東海岸商店会PVの1番、「ふれあい編」を解説していただきました。今回は2番の「KEEP LEFT編」についてお願いします。

松永監督 1番の「ふれあい編」では、主人公の女性が商店街の皆さんとのふれあいを通じて元気になっていきましたよね。

2番の「KEEP LEFT編」は、その次の日という設定です。


――― たしかに2番ではスタートから表情が明るいですよね。

松永監督 実は今回のPV制作のお話をいただいて、先に思いついたのがこのKEEP LEFT編のストーリーだったんです。

交通安全を啓蒙する、ソーシャルグッドな取り組みをしているのは素晴らしいと思って。


――― 茅ヶ崎は自転車が多い街ですし、左側通行については雄三通りからその発信をしていこうという動きがあります。


松永監督 それって稀有なことだと思うので、その活動をぜひ取り上げたかったんです。

この通りにはそれに関連するウォールアートもあって、それをシーンとして取り上げました。

―――そして、この2番の重要人物と言えばこの男性ですが…

――― この方は…加山雄三さんの、そっくりさんですよね。


松永監督 ゆうぞうさん、ですね。

キャラクター設定などは特になく、茅ヶ崎にいるゆうぞうさん…


島田プロデューサー(以下、島田P) そうですね、シンプルにゆうぞうさんですね(笑)

雄三通りはやはり加山雄三さんのゆかりの地ですから、パロディ的な手法でその打ち出しをしました。


――― ゆうぞうさんが出れば、画として直球で伝わりますもんね。そしてPVの中では、KEEP LEFTプレートを見たゆうぞうさんが自分も付けていましたね。


松永監督 こうやって交通安全の意識が広がっていくと良いな、と思ってこういうストーリーにしました。

――― 交通安全の啓蒙というテーマを、映像作品として素敵に仕上げていただいたので、最後までしっかり見られるのがすごいと思います。こうして解説を伺ってまた、作品を見ると面白いですね。

■アカペラ×ゆうぞうさん


――― こちらのゆうぞうさんは、ものまね芸人さんなんですよね。


田中キャスティングディレクター(以下、田中CD) はい、加山雄三さんのものまねをメインにされている方ですね。

たまたま私の知り合いの方から繋いでいただく機会があって、今回の話がその後にあったのですごい偶然だなと。

――― この容姿もそうですが、とにかく歌にびっくりしました。本物の加山雄三さんの音源を使われたのかと思ったほどです。


田中CD 私はレコーディングの場に立ち会ったんですけれども、生で聴いたらもう本当にすごくて(笑)

「とんねるずのみなさんのおかげでした」とか、テレビにも出られている方なんですよ。


――― そしてこの編曲も素敵ですよね。


田中CD ありがとうございます。加山雄三さんの「海 その愛」をアカペラで編曲したんですけども、私が所属していたアカペラサークルがOBにゴスペラーズがいる本格的なところで。

で、今回編曲や歌ってくれた方々が、そのアカペラサークルの出身の方々なんです。

――― だからあのクオリティが出せているんですね。


田中CD あらためて音楽に集中して聞いていただくとわかりやすいと思うのですが、各シーンの意図と音楽がすごくきれいにマッチしているんですね。

1番の最初、落ち込んでいるシーンではコーラスなしで歌が始まって、段々と「ウーーー」っていう低音のコーラスが入り、商店街の皆さんとのふれあいを通じて喜びが増していくところ、つまりサビ前から高音の被せが入りサビにかけて「オーーー」っと盛り上がっていくんです。

――― ああ、ほんとですね、気持ちが持ち直してくるシーンのアカペラがすごい!


田中CD 人とのふれあいと、このアカペラで声が重なっていく感じがすごくマッチしていて。

そして、2番のKEEP LEFT編は主人公が元気なところから始まるので、アカペラもスタートからコーラスが入っているんです。

――― ああ、全然違う!


田中CD 途中に入るコーラスも、「トゥントゥントゥン」みたいな軽やかなものが入ったり、その後の被せも変えていて「ゆこうー、ゆこうー、ゆこうー」からの、サビでゆうぞうさんの出番っていう。


松永監督 私もここまで詳しくは知りませんでした…(笑)


――― 感動しました。すごい。素人でもわかるように教えていただきありがとうございます。


田中CD いえいえ、こちらこそ話せて嬉しいです(笑)


■「海 その愛」起用の裏側


――― 今回、加山雄三さんの曲から「海 その愛」を選ばれたのはなぜでしょうか。


松永監督 先に伝えたいテーマがあって、そこから加山雄三さんの曲を考えたとき、もう「海 その愛」以外に考えられなかったですね。

その上で、「男ならば」っていう歌詞が多く出て来る部分を女性軽視と誤解されないようにどういまの時代に合わせようかと。


――― たしかに時代背景が違いますもんね。


松永監督 これは私の解釈ですけど、この歌が出た当時も「男ならば」という歌詞ではありますが、別に男性に限った話ではなかったと思うんですよね。


――― 要するに、「奮闘する人」という本来の意図を、今回伝わりやすくしたかったということですよね。


松永監督 あ、そうです。まさに。なので、主人公を女性にして、歌も女性をメインにすることでそこの広がりを出しました。


田中CD ちなみにこの曲の使用許諾は、長谷川さんを通じて加山プロモーションさんに相談したんですけども、地元のPRということですぐにご快諾をいただけました。それもすごく有難かったです。


――― 1番のふれあい編、2番のKEEP LEFT編、そしてその制作の裏側まで詳しくお話いただき、ありがとうございました。次の最終回では、スタジオ白鯨さんについて伺います。


(次回につづく)